ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則 - Good to Great

いつかオレもGreatになってやるぜと思いながらも、いつのまにやら凡人歴が長くなってきてしまった僕ですが、いつかGreatになるための情報収集は怠っていません。原題はGood to Great。まさにGoodからGreatに抜け出せない今のオレのための本じゃないの?と早速注文してみました。

大抵の成功本というのは、著者個人の人生経験から「世の中ってこういうもんだろ。オレはこれでうまくいった!」と思うオレオレ成功法則が書き連ねてあるわけだが、この本がすごいのは、著者個人が思う成功に関する一切の法則・先入観を捨てて、データのみから成功法則を導き出す、というアプローチを取っている点にある。(僕はオレオレ成功本も味わい深くて好きなんですけどね。)
つまり「起こっていることは全て正しい」とか、「絶対計算」とかいわれているこのごろ流行りの例のアプローチですね。

さらにもう一点すごいのは、今現在Goodに留まってるやつらがGreatになるのに役に立ちそうな法則のみを提示しようという姿勢が徹底していること。著者たち調査グループの取った方針はこうだ。
「最初からGreatなヤツの話を聞いても役にたたないから聞かない。GoodからGreatに変わったヤツに、どうやって変わったのかという話を聞いてくる。」
長嶋監督に聞いても「来た球を打つ!」しか言わないからいいや、ということですね。

さて、いったいどうやってそんなことを実現したのか?まず全米の上場企業の過去の株価データを持ってきて、以下の条件を満たす会社を洗い出す。
1. 15年以上せいぜいGoodと言える程度のパフォーマンスに甘んじていた。
2. あるとき飛躍の時を迎えその後15年以上、Greatと言えるパフォーマンスを上げ続けた。
これを満たす会社は全ての上場企業の中で11社しかなかったらしい。15年は長いので、相当厳しい基準です。
で、その11社が飛躍を迎えたときの経営陣や社員にインタビューして、これらの会社の飛躍期の共通の特徴を見つけ出す。どんな会社が残ったか。

グーグル、マイクロソフト、オラクル、アップル、IBMインテル。。といった会社は15年縛りのおかげで11社の中には入っていない。
クローガー(スーパーマーケット)、ニューコア(鉄鋼)、サーキットシティ(家電小売り。15年間はGreatだったみたい。でもこの間倒産したよな。。)なんて地味な会社ばかりが残った。

どんな特徴が見つかったかというのはまあ読んでもらうとして、心に残ったものを一つ書いておく。
飛躍した企業は、転換点において以下の3つの条件を満たす分野に経営資源を集中しているという。

1. 情熱を持って取り組める。
2. 経済的原動力になる。
3. 頑張れば現実的にその分野で世界一になれる可能性がある。

1,2を満たす分野はたくさんありそうだけど、3はかなり厳しい条件だ。だって世界一ですよ。気合いと楽観論で「なんだってやってみなくちゃわからないし!やればできるって!」とかいうのはダメで、冷静に現状をありのままに見て、現実的に一番になれる可能性があるというのしかダメだそうです。この3つともを満たさないようなことには手を出さない、という規律をもつべきだ、というのです。

これはつまり「自分探し」ですね。飛躍した企業は、「自分を見つけた」企業だったということです。。
別にオチは無いけど今日はこんなところで。